昨年末に、「解散命令請求された宗教法人の財産流出を抑止するための特例法」が成立して以降、旧統一教会を対象として指定するかどうかについて、宗教法人審議会で審議が行われて来ました。

「財産流出抑止のための特例法」(成立から3年間の期限付き)
2023年12月成立。⇒弁明を求める通知。⇒教団から弁明。⇒宗教法人審議会に諮問。⇒対象指定の審議中。
※「宗教法人審議会」とは・・・文部科学大臣の諮問機関として、文部科学省に宗教法人審議会が設置されている。審議委員は宗教家または、宗教に関して学識経験のある者で構成し、文部科学大臣が任命する。宗教法人審議会は、宗教法人法によってその権限に属せられた事項について処理する。

この審議によって、教団が「指定宗教法人」となるか「特別指定宗教法人」になるかには、大きな差がありました。
●指定宗教法人
被害者が相当多数と見込まれる法人。
不動産の処分前または担保にする際の届け出義務化(1ヶ月前まで)。
3ヶ月ごとに財産目録などの書類提出が必要。
●特別指定宗教法人
財産を隠すおそれなどがある法人。
被害者が財産目録を閲覧できる。

その結果、残念ながら、文科省は3月7日に教団を「指定宗教法人」と指定することに決定したと発表しました。

盛山正仁文部科学相は昨年の10月24日の記者会見で「教団の財産はまず民事保全の手続きにのっとり、個々の被害者が主体的に債権を確定させ、請求や保全の手続きに入ることが基本。政府ができることは法テラスなどで被害者の請求手続きの手伝いをすることで、それに取り組んでいる」と説明して来ましたが、教団が「指定宗教法人」となったことで、財産保全と財産目録の閲覧ができなくなり、被害者の救済について、被害者自身による賠償請求に基づいて実施する必要性が確定したことになります。
これは、被害者にとって大きなハードルであり、真の被害者救済となっていないと言っても過言ではありません。
「指定」を決めたのが、盛山文科相というところに、疑問を抱かざるを得ません。
被害者救済がどのような経緯をたどるのか、真に救済されていくのか、また教団の財産である不動産の行方がどうなっていくのか、私たちは今後も注視していく必要があります。

記事引用

旧統一教会を「指定宗教法人」に指定 資産状況把握へ 文科省

2024年3月7日 13時21分 NHK NEWS WEB

旧統一教会の被害者救済をめぐり、7日、文部科学省は、資産状況を把握するため、教団を特例法に基づく「指定宗教法人」に指定しました。

旧統一教会をめぐっては、6日に開かれた文部科学省の宗教法人審議会で、資産状況を把握するため、「指定宗教法人」に指定することが諮問され、全会一致で了承されました。

これを受け、7日、文部科学省は教団を「指定宗教法人」に指定し、文化庁のホームページに公示しました。

以下、記事をご覧ください(動画あり)。

引用元:旧統一教会を「指定宗教法人」に指定 資産状況把握へ 文科省