統一教会問題とは何か ~新たな風化に抗して~

11月9日に、多摩市の永山公民館ベルブホールにて、有田芳生(よしふ)さんによる講演会を開催いたしました。
以下、講演の報告です。

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11月9日に、多摩市の永山公民館ベルブホールにて、有田芳生さんによる講演会を開催しました。今夏にこの講演会を企画したときは、ジャーナリスト、前参議院議員だった有田さんが、先の衆院選東京24区に出馬し萩生田光一氏との接戦に惜敗して比例復活当選されたので、講演会当日は衆議院議員として紹介させていただきました。

解散は11月以降との予測(期待)と異なり、異例な早期解散・10月27日投開票の選挙期間に重なってしまい、特定候補者の宣伝活動とされないよう、講演会の開催の告知・宣伝が選挙後までできなったにも関わらず、130名以上の方に参加いただき、講演後の最新著書「誰も書かなかった統一教会」のサイン会も盛況でした。

有田さんが強調されたのは、

統一教会は身近な市民社会の中で、統一教会信者と明かさないまま、「すごく親切な隣人、親身になって助けてくれる人」として困難に悩む市民の弱った心に食い込み、一方ならぬ親切いただいた恩義へのお返しせねばという「マインドコントロール」を植え付けることで統一教会に引き込んでしまう事例が今も続くこと。
多摩市の統一教会用地に研修施設が建設、運営されることは、これが多摩市民の身近な問題になる。
統一教会は、単なる宗教団体ではなく特異な教義を基礎にした反共謀略集団である。多様な名称を持つ多数の関連団体、企業群を擁し、日本国内でも誰もが知っているドリンク剤のような身近な健康食品(現在は統一教会と無関係な企業の製品)から、海鮮商社などなど国際的なビジネス展開をしている。関東にある統一教会系一企業の拠点地域では、先の衆院選でも「統一教会の重点候補」の比例区得票率が顕著に高かった。
統一教会フロント企業には銃砲店もあり、空気銃に始まって散弾銃までも輸入販売し、国内に武装部隊を持った過去もあり、「赤報隊事件」関与の疑いもあって、今も警戒すべき集団である。
教祖文鮮明と岸信介の親密な関係は、安倍晋三元首相まで代々引き継がれており、数多くの関連団体の中でも反共を旗印とする国際勝共連合は統一教会の政治部門でありながら、統一教会の存在を表に出さず、日本の反共保守政界に食い込んで、多くの政治家との親密な関係は現在も続いている。
解散命令請求審査は来年中に地裁で結審、統一教会が上訴しても最高裁までは行かず高裁で最終となり、来年中に解散命令が出されるだろうけれど、オウム真理教の残党が、地下鉄サリン事件なども知らない世代にいまだ拡散しているように、「宗教」としての活動は続けるので警戒を怠ることはできない。

などなど、統一教会が単なるカルト団体ということに止まらず、長年にわたる政治との癒着や軍事部隊まで内包する危険な組織でありながら、今も市民生活の身近なところに広く接点があることが語られました。

教団をめぐるさらに多くの問題については、有田さんの最新著書「誰も書かなかった統一教会」(集英新書)に詳しく書かれています。